月に選ばれた

第25話

ディラン視点

彼は小さなスピーチの後、私の足首を掴み、素早く自分の方へ引き寄せた。左手首に手錠を一つ取り付けると、私が暴れるのを止めさせようとした。「抵抗するな！」彼は全力で私の右手首を掴もうとしたが、私の動きは予測不能だった。考えられるあらゆる方向に手を動かし、彼は私の動きを予測できなかった。

王が勝てないと悟ると、彼はいらだたしげにため息をついた。突然、大きな拳が私の顔に向かって飛んでくるのが見え、私は衝撃に備えた。最初は何も感じなかったが、すぐに顔に痛みが広がった。手を動かそうとしたが、ほとんど動けないことに気づいた。足は広げられてベッドの下部に繋がれ、手首はヘッドボードの柵に通され...