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第179話

カルロス視点。

私は目の前で輝く女性を見つめ、混乱に包まれていた。彼女の言葉が壊れたレコードのように私の頭の中で繰り返し再生されていた。同じ曲の同じ部分を何度も繰り返すように。

「あなたは一体誰なんですか?」と私は尋ねたが、すでに答えは明らかだと感じていた。何年もの人間による差別と虐待を経て、月の女神は存在しないと思い込んでいた。彼女はリカン種の想像の産物に過ぎないと。自分の目で彼女の予期せぬ出現を目撃することは、腹に弾丸を受けたような衝撃だった。

「求める答えが目の前にあるというのに、まだ質問するのね」彼女は深く響くような笑い声を上げ、私に少し近づいた。「あなたは私の力を求めたのではな...