月に選ばれた

第153話

カルロス視点。

私は豪華なテーブルに座り、目の前に並べられた食事にほとんど手をつけずにいた。一方、ロレリア夫人は丸々と膨らんだ腹部を親指でなでながら、昨日撮ったばかりの最新のエコー写真をじっと見つめていた。私はただ不満げにうめきながら、食べ物をいじり続けた。

「あと12週間で彼に会えるのよ」彼女が金切り声を上げると、私は思わず顔をしかめた。疲れ果て、虐げられていた。私の腕はきつい三角巾に収められていた。三日前、ロレリアの足の重みで肘が折れたからだ。単に彼女のお腹に話しかけることを拒否したというだけの理由で。「知ってる？もし義理の甥が自分のメイトを取り戻せなかったら、私たちの息子が次の後継者...