月に選ばれた

第119話

ディラン視点。

私は大きな息を吸い込んで目を覚ました。パニックに陥った呼吸が続き、体が跳ね上がって頭を部屋中に動かし、湖に戻ったことを確認しようとした。しかし、目に入ったのは医療テントの内部だった。リズミカルな連続したビープ音が鳴り響いていたが、パニック状態の私にはそれがどんどん速くなっているように感じられた。

私の隣には椅子に座っているルイスがいた。彼の頭はまどろみながらベッドに乗せられ、彼の手は私の手をゆるく握っていた。なぜ私が病院のような場所に連れ戻されたのかわからなかったが、少なくとも月の女神が私を送り込んだあの辺境の場所にはもういなかった。

私の目からは抑えられずに涙が流れ、呼...