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第53話

ジェイソンの視点

ダリアの頼みを受け入れるとは思ってもみなかった。俺は外出や「散歩」を楽しむタイプではなかったのに。それなのに今、俺はここにいる。外で、めちゃくちゃな遊園地の真ん中で。最近オープンした新しい遊園地について従業員たちが話しているのを耳にしていた。でも、彼女がアトラクションを見た時の表情を見れば、それだけの価値があった。多くの人は唇だけで笑うが、ダリアは顔全体で笑う。目が細くなり、頬がふくらみ、そして彼女の唇—ああ、あの唇—その場でキスしたくなるほどだった。彼女はあまりにも多くの美しさを見せびらかしていた。

「な・ん・て・こ・と」振り返ると、ダリアがフリーフォールタワーを見上げ...