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第34話

ゼレナ。

後ろを振り返ると、巨大な銀色の狼がいた。見事な姿だった。背が高く筋肉質で、私よりずっと大きく、少し威圧感があった。

『ガンナー?』

『ああ、俺だよ』

『どうして頭の中で声が聞こえるの?』

『フラッシングしてるんだ』

『そりゃそうだね、すごい』

彼はフンと鼻を鳴らし、頭を振って私の方へ歩いてきた。彼は頭を私の脇腹に擦りつけ、首元まで上げてきた。わぁ、彼は本当に素晴らしい。この狼がいつかアルファになるのも不思議じゃない。

『なぜ彼は私が彼を攻撃すると思ってるの?私はそんなことしないのに』

『今なら君の声が聞こえるから分かるけど、生まれたての狼はいつもそうとは限らない。通常はかなり攻撃的...