月の子孫

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第277話

ゼレナ。

「パニックになってるよ」トビアスが囁いた。

「当然でしょ、パニックになるわ。あの人たち、私の子供たちを傷つけに来たかもしれないのよ」私は低く唸った。トビアスは私の手を取り、自分の頬に当てた。

「誰もあの子たちを傷つけることはさせない、誓うよ」彼は説得力をもって言った。私は深呼吸して、ゆっくりと息を吐き出した。彼を信じないわけにはいかない。彼は私の赤ちゃんたちのために殺すだろうし、彼らのために死ぬことさえする、私と同じように。穏やかな波が私を包み込み、エネルギーの火花が肌をくすぐるのを感じた。私の手の甲が彼の顔に触れている部分の周りにオーラが見えた。私は手を回して彼の頬を包み込んだ。...