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第263話

ウィスキー。

ガナーが彼のメイトと部屋を出ていくと、穏やかな安心感も一緒に消えていった。彼がどうやってそれをするのか分からないし、それが気になり始めている。一瞬前まで怒りに満ちて殺意すら湧いていたのに、次の瞬間、彼が何か言うと、まるでバターのように溶けてしまう。心の奥底、自己嫌悪と不信感と復讐心の山の下に埋もれて、私は彼を信頼しているのかもしれない。何かがまだそこにある。彼があの魔女を欲しがるように私を欲しがることはないと今は分かっているけれど、私たちの間にはまだつながりがある。それが何なのか見つけ出す必要がある。できれば彼のパックの残りを殺す前に、彼も一緒に死ぬべきかどうか分かるように。

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