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第64話

ノアの視点

夜明けとともに目を覚ますと、隣の牢屋にいる友人の笑い声が聞こえてきた。気づくと、体調はかなり良くなっていた。休息のおかげで傷が癒え、少なくとも10時間は眠っていたに違いない。

今や両目でちゃんと見えるようになり、牢屋の中を見回す。この臭いは今まで嗅いだ中で最悪だが、少なくとも今ではある程度慣れてきた。隣の牢屋に目をやると、同じ男が私の目の高さまでしゃがみ込み、顔を牢の鉄格子に押し付けていて驚いた。

「おはよう、お姫様」と彼は目を見開いて言う。

「おはよう、チャープ」

「チャープ?気に入ったよ。それが俺の名前だ」

私は冷ややかに笑う。この男は本当に変わっている。

「彼を...