最後の精霊狼

第144話

「ヴェラ」

意識の霧が晴れていく中で最初に気づくのは、耐え難いほどの痛みだということだ。

目を開けようとするが、まぶたが重すぎる。指を動かし、足の指を動かそうとするけれど、この単純な動作さえ途方もなく難しい。うめき声を出そうとするが、喉が乾きすぎていて、飲み込む唾液すらない。脱水状態に違いない。

目を開けて周囲を確認できないので、他の感覚に集中しようとする。私が横たわっているのは、石のように硬く冷たいものの上だとわかる。ここがどこであれ、洞窟か換気のない地下のような場所に違いない。かび臭い強烈な匂いがして、空気の流れがまったくない。額に髪の毛がはりついているのを感じる。つまり、かなり湿度...