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第114話

ー ヴェラ ー

風が導く方向へ歩き続けているけれど、この感覚とこの匂いはもう分かっている。

ノアがこの辺りにいる。

彼はまだ評議会の会議に出ているはずだと思っていた。結局のところ、彼は評議会に挑戦して彼らを驚かせるだろうし、評議会がどんな瞬間に何をするか分からない。会議はあらゆる曲折を経るだろうと思っていた。

焚き火から十分離れたところで、私は彼の存在と、さらに重要なことに、彼のオーラを感じる。かすかだけれど、それは評議会の会議がどう進んだかを示す不吉な兆候だ。

近づいていくと、木の下に座って満月を見上げている彼を見つけた。

「ノア?」驚かせないように声をかける。

彼は振り向いて私...