「最初の仕事は、髪を切って髭を剃ることだ」

「え、えっ？」私は言葉を詰まらせた。

深呼吸をして、震える手を落ち着かせながら、はさみを手に取る。

彼の黒い髪に指を通すと、その密度と重みを感じた。髪の毛が指先に巻きつく様は、まるで生き物のよう。それは彼の力の延長のようにも感じられた。

彼の緑の瞳が私を貫くように見つめている。まるで私の心の奥底まで見通されているかのように、私の全ての想いと欲望を暴かれているような感覚。

床に落ちていく一筋一筋の髪が、彼のアイデンティティの一部が剥がれ落ちていくようで、世界に隠している彼の一面が現れているかのようだった。

突然、彼の手が私の太ももから腰へと這い上がり、その触れ方に私の体は強張った...

「震えているな」何気なく彼が言う。私は咳払いをして、赤くなる頬を心の中で呪った。

**********

戦場から戻ってきたアルファの息子は、運命の相手を見つける―それが彼女だった！

新たに拒絶されたウルフである彼女は、パックから追放されることに。必死の逃亡の末、生き延びるため謎めいた貨物列車に飛び乗る。しかし、その決断が彼女を危険と不確実性に満ちた危険な旅へと導き、世界最強のアルファとの衝突へと巻き込んでいくことなど、彼女は知る由もなかった...

自己責任でお読みください！


悲劇を救う

*****ローズの視点*****
「その衣装で小さなお腹が見えてるわよ！」リディアは手を叩きながら叫び、私はくすくす笑いながら彼女をあしらい、ヘアアイロンで髪を巻き続ける。
今日はパックの夏のパーティーに参加する予定だった―社交と日光浴を楽しむための洗練されたイベントだ。アシュトンは私たちが参加しないだろうと思って招待状をくれたけど、私はあえて挑戦して行きたいと言うことにした。
アシュトンの新しいメイトとして、彼のパックの中で繋がりを築こうとするのは当然のこと―特に今は彼の子供を身ごもっているのだから。
パックのメンバーたちはこのニュースに興奮し好奇心を抱いているので、もっと自分をアピ...

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