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第15話

ローズの視点

私が部屋で動揺して震えていると、ドアにそっとノックの音がした。

涙をぬぐい、少し落ち着いてから「どうぞ」と小さな声で答える。きっとまたルースだろうと思いながら。

ドアが開き、驚いたことにアルファ本人が立っていた。彼は心配そうな表情で中に入り、後ろでドアを閉めた。

「ローズ、大丈夫か?」彼は優しく尋ねながら近づいてきた。私は唇を歯で噛みしめる。

最初は声が出ずにうなずくだけだったが、また頬を伝って涙が流れ始め、彼の前で強がろうとした試みを裏切ってしまう。

アルファはすぐに私の隣に座り、慰めるように腕を回して抱きしめてくれた。「もう大丈夫だよ、ローズ。...