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第83話

「こんな姿でパックの前に立てるとは思えない」リタは認め、最後の涙を拭い去った。ニックスは彼女の感情崩壊の途中で眠りについており、コールはずっと彼女に付き添っていたが、彼にはアルファとしての務めを終わらせる必要があることをリタは知っていた。また、彼女が行くよう言うか、彼女が一緒に行かない限り、彼が立ち去らないことも分かっていた。

「無理に来なくてもいいけど…」コールは床に腰を下ろし、膝を肘まで引き上げた。「マキシムのパックのほとんどを同化させるつもりだから…彼らにとってのルナとしてのあなたを見せるべきだと思うんだ。あなたが相応しい力を持つ立場として。今まで彼らが見てきた囚人としてではなく」

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