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第三百八十五章

アデル

(ああ、もう! 今の、私が口走ったの? 神様、どうか私に天罰を)

でも、彼は気づいていないみたい。あるいは、気にも留めていないのかも。片手で私の手を握りしめながら、もう片方の手でヘルメットの留め金を外し、息をのむほど魅力的な顎のラインと唇があらわになるまで、わずかに持ち上げる。「キャンドルをありがとう」彼の声はもうくぐもってはおらず、その響きのすべてが私を包み込むと、血が沸騰するような熱を感じる。ゆっくりと、彼は信じられないような、そしてありえないほど不適切なキスを、カウンターから持ち上げた私の手の甲にする。とても温かくて湿ったキス。一瞬、彼の舌が私の肌の上を踊ったかのよう...