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チャプター 35

まつ毛にはまだ涙が乾かぬままだったけれど、私は囁くように感謝を告げた。パトリックが一歩前に出て、私を優しく腕の中に抱き上げてくれる。残りの四人も近くに集まってきて、それぞれ私の頬か手にキスをしてから家の中へと戻っていき、ポーチにはパトリックと私だけが残された。

彼は私を抱きかかえたまま角を曲がり、日陰になったポーチのブランコへと運んでくれた。そこからは手入れの行き届いた脇庭が見渡せ、果樹が畝の作られた家庭菜園の横でそよ風に優しく揺れていた。ブランコに腰を下ろし、私を膝に乗せたまま、彼は片足で地面を蹴って私たちを揺らし始める。ブランコの軋む音と葉の擦れる音が私たちの間の空間を満たし、二人ともその...