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第66話

新しく整理された書斎に入ると、私はそれが彼のオフィスの個室とよく似ていることに気づいた。もちろん、私が選んだ家具で飾られていた。

ただひとつを除いて。

壁には白い布で覆われた大きな額縁があった。前回訪れたときにもこの部屋で見たものと同じだった。指にはめられた青いダイヤの指輪が覆いから見えていたことを、私はまだ覚えていた。しかし今回は布がそれを完全に隠していた。

私は同じ疑問を抱いた。誰の写真なのだろう?

彼は私の手をしっかりと握ったまま、その絵の前に立った。彼から小さなため息がもれた。

「エース?」私の声はささやきのように出た。

彼は手を上げ、布を引っ張ると、それは床に落ちた。私の...