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第35話

胸に手を当てながら、深呼吸をした。彼はまだ来ていないのに、私の心臓はいつ肋骨から飛び出してもおかしくない状態だった。お腹の中で蝶が激しく舞い踊っているのも、落ち着かない理由の一つだった。

落ち着いて、エム。ただのデートよ。友達としてのデート。男の子と出かけるのは初めてじゃないんだから。

そうだけど、今回は私が好きな人で...

言葉が喉につかえた。ショックと驚きが私を襲った。私は彼への...気持ちを認めようとしていたの?

頭を振った。いや、違う!確かに彼は私に大きな影響を与えるけど、私はあの「L」という言葉を使わない。

裏切り者の心を考え続けたくなくて、クローゼットに向かい、キャシ...