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第23話

VIP階段から出ると、私はペントハウスのドアを見て息を吐き出した。両側にはサングラスをかけた大柄な警備員が像のように立っていた。

入り口に近づき、指紋スキャナーの前に立つと、胸の中で心臓が激しく鳴り響いた。

あの夜以来、彼に会うことへの緊張感は圧倒的だったが、彼が無事かどうかを確かめたいという切望が、私の躊躇いを上回った。

ドアの中に入ると、驚いたことに自動的に後ろで閉まった。私の夢の悪魔と閉じ込められたような感覚に膝が震えた。それでも前に進み、前回ここを訪れた時の記憶が頭に押し寄せてきた。

リビングエリアに入ると、私は足を止めた。

そこに彼はいた。豪華なソファに座り、前かがみになっ...