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第52話

「その言葉を使わないで、アリス」

「どうして?」

「君の口から聞くと良くないからだ」

彼女は顔をしかめた。

「いつからそんなに良い人になったの?」

「君を手に入れてからさ」

彼女は微笑んで首を振った。そして立ち上がる前に軽く私の唇にキスをした。

「じゃあ、準備しないと」

「ああ」私はうなずいた。

「あなたは準備しないの?」彼女はベッドから離れながら眉をひそめて尋ねた。

「アリス、君と同じ時間に準備できるよ」

「どうしてそんなに自信があるの?」

「だって君は女性で、私は男だからさ」

彼女はただ肩をすくめ、ドアの方へ歩いていった。

「じゃあね」彼女は私を見ずに言った。

私は仰向けになって天井を見...