売られた氷の女王

第20話

それはスポーツセンターだった。彼が私をアイスリンクに連れてきたと気づいた時、私の心臓は早く鼓動した。

彼は優しく私を中へ押し進めた。

一人の男性が私たちを出迎えた。

「サリバンさんですか？」

彼はうなずき、私を彼の近くに引き寄せた。

「ブラウンさん、こちらは私の妻のアリスです」

「お会いできて光栄です、サリバン夫人。こちらへどうぞ」

私たちは彼に従い、アイスリンクを見つけた。氷を見ると、長い間感じていなかった安堵感が湧き上がってきた。

「サリバン夫妻、ごゆっくりどうぞ」

そして彼は去った。周りを見渡すと誰もいなかった。ギデオンを見つめ、何か聞こうとしたが、彼の方が早かった。

「このアイスリンク...