Read with BonusRead with Bonus

第179話

ダミアンの視点

火の壁が消えた時、私たちが目にしたものは予想外だった。レインも驚いていた。レインとマット、リリアンの会話から判断すると、私たちはバリアの外側に転送されるはずだった。黒魔術の集団の敷地内ではなく。しかし、それが私を驚かせていたわけではなかった。

私のメイトはもはや集団の捕虜ではなく、今や元々の捕らえ手たちに大虐殺を解き放っていた。私のメイトから感じられるのは怒りだった。彼女が怒っていると言うのは控えめな表現だ。敵の血に覆われていても、彼女は私が今まで見た中で最も美しい女性だった。

彼女の名前を呼び、彼女のもとへ駆け寄り、腕に抱きしめ、口づけをしたいという思いで一杯だっ...