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第172話

サバスティアン王の視点

アローラが呪文を発動させると、私はデイモスと自分の空間に留まり、さらなる変化を捉えられるよう見守っていた。期待は裏切られなかった。待つことを決めるやいなや、状況が変わり始めたのだ。赤と黒の縁取りをした縄のようなオーラがアローラの命の糸を取り巻くのを見た。私がアローラに手を伸ばすのを阻んでいた闇にも変化があった。

それは少し明るくなり、薄れ始めた。闇が薄れるほど、アローラの姿がよく見えるようになった。まだ彼女の居場所を特定することはできなかったが、彼女がいる牢屋は見えるようになった。彼女は「ブラッド・ハーベスト」を発動させていた。呪文の七つの輪のうち、一つだけが...