彼の小さな花

第37話

私がフェリックスについて知っていたことの一つは、彼が私を守るためには何でもするということだった。彼は誰に対しても何でもする覚悟があった。それは彼の優しさからだった。彼はいつもそうだった。子供の頃からずっと。でも、それはあっという間に本当に怖いものになりうるのだ。

私たちが幼い頃は、それはただの小さなことだった。例えば、公園に行くと、彼はいつも私と友達の周りをぐるぐる回っていた。一度、ある小さな男の子が誤って私にボールをぶつけたとき、彼はその子を怒鳴りつけた。その子は泣いてしまった。

本当に怖くなったのは高校のときだった。新入生の二日目、彼はいつものように私を教室まで送ってきた。私が中に入っ...