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第172話

ジュリアンは私の姿を見る――ウェディングドレスを着た私を見るなり、彼はその場にひざまずいた。深く、張り詰めた沈黙が続く。皆が私たちを見つめている。私も彼を見つめている。

彼はしばらく何も言わず、私の心臓は胸から飛び出しそうだった。私が一歩彼に近づき、「ジュリアン、血を流しているわ」と小さく囁いた。

彼はゆっくりと腕を私の足に回し、まるで私が錨で彼が沈みゆく船であるかのように、私にしがみついた。シャツに血が広がっている。喧嘩でもしたのだろうか?考えにくい。他に怪我をしているようには見えない。

私は彼の肩に軽く触れ、シャツを持ち上げて傷を確かめようとする。彼が前かがみになると、血が私のドレス...