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第136話

「これ、どう思う?」ニコが尋ねながら、濃い緑色のホルターネックのドレスを私の前に掲げる。「緑のネクタイもできるよ」

私は首を振る。「緑はダメ」

緑はジュリアンの目の色と合わない。

「じゃあ、黒は?」ニコは別のドレスを手に取る。「クラシックは間違いないよ」

突然、泣きたくなる。ジュリアンが恋しい。彼が私に怒っているのが嫌だし、こんなくだらないことで喧嘩したことを後悔している。でも彼は分かってくれるはずじゃない?

ニコは私の親友だ。彼と一緒に行くことは、ジュリアンより彼を選んでいるということではない。私はジュリアンを愛している。それは別物だ。

私はニコに作り笑いを向ける。「お腹すいた。...