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第131話

レオは車の後部座席で詩を暗唱している。これは彼の4つ目の詩だ。どうやら、彼は自分の知っている童謡をすべて私に教えたいらしい。もっと気分が良ければ、もっと彼に応えたのだが。でもジュリアンが突然不機嫌になって、そのせいで私も気分が悪くなっていた。

レオは優しい子だけど、ジュリアンの冷たい態度が気になって集中できない。おそらく私がニコと話していたことに腹を立てているのだろう。でも親友を諦めろとは言わないでほしい。友情は恋愛より大事なんだから。

レオは水分補給のために話すのをやめる。彼はバッグからマグボトルを取り出して飲み始める。

「ジュリアン?」私は静かに呼びかける。

「ん?」彼はうなる。

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