彼の小さな花

第130話

私は彼の車の音楽システムに手を伸ばし、素早く私のスマホを接続する。音楽を再生し始めてから、先に彼に尋ねるべきだったと気づく。あまりにも早く打ち解けすぎている。

「どんな音楽が好き？」と彼に尋ねる。

ジュリアンは何気なく私を見る。ああ、彼がそうするとき、一瞬だけ私を見つめるとき、あの燃えるような緑と青の瞳で、私は彼を愛さずにはいられない。

「何でもいいよ。好きなのをかけて。ただ、ワン・ダイレクションだけは勘弁してくれ」

「ワン・ダイレクションなんて聴かないわ」と私は独り言のようにつぶやく。昔は聴いていたけど、もう卒業した。それに、私は洗練された音楽の趣味を持っているように見せたい。

『...