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第36章 残さなくてもいい

高橋忠信は実際に何が起こったのかよく分からなかった。ただ、高橋翔太の険悪な態度と、突然召集された家族のビデオ会議が、彼の心に不安を呼び起こしていた。

「若様、具体的なことは私も分かりません。長老会があなたの帰りを待ってビデオ会議を開くそうです。私も今しがたその知らせを受けたばかりです」

高橋忠信はそう説明しながらも、その目にはますます濃い不安の色が浮かんでいた。

「高橋直哉、お前は本当に規則を知らないのか?こんなに遅れて来るなんて、長老たちが待っているのが分からないのか?」

高橋翔太はこの時、鼻高々とした態度で高橋直哉を叱りつけた。

高橋直哉が入ってきた時の無礼な態度に、高橋翔太の...