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第18章 お節介

高橋直哉は、林田詩音が何を言ったかなど全く気にしていなかった。今、彼の頭の中には、高橋忠徳か江口虎之助のどちらが彼を裏切ったのかを知りたいという思いだけがあった。

彼はすぐに虎泉荘に大股で入っていった。

堂屋の中では、江口さんが頭から流れる血を気にせず、高橋忠信の前で震えながら情けを乞うていた。高橋直哉の前で良いことを言ってもらわなければ、命がいくつあっても足りないと。

その時、高橋直哉が入ってきた。

「高橋様!」

江口さんの目は大きく見開かれ、心臓が喉元まで上がってきた。

高橋直哉がここに来たということは、もう……

ドサッ!

江口さんは考える間もなく、高橋直哉の前に重く跪き...