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第12章 資格がない

高橋忠信の怒声が響き渡り、ホールは一瞬にして静まり返った。

「どういう意味ですか?」

太田嘉太郎の顔には不快感が浮かんでいた。

高橋忠信がどれほどの人物であろうと、太田家も雲市では一目置かれる存在だ。二人はせいぜい同等の立場であり、今こいつが彼に向かって大声で叱責するなど、まったくもって面目を潰された形だ。

誰かが場を和ませようと口を開いた。「お二人とも、怒らないでください。和をもって財を成すと言いますし、高橋副社長も一時の言い間違いだったのでしょう」

しかし、高橋忠信は冷笑し、再び言い放った。「もう一度言う。彼に手を出したら、お前たちを潰す!」

「天意グループがその力を持ってい...