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第48章

田村は彼の語気を聞いただけで、機嫌が悪いことがわかった。急いでシートベルトを外して車から降り、心の中で浅井立夏のために祈った。彼女が宮原裕也にあまり逆らわないことを願って。

浅井立夏は宮原裕也が田村に降車を命じるのを聞き、胸がどきりと鳴った。慌てて車のドアを開けて降りようとした。

しかし彼女の手がドアに触れる前に、宮原裕也にぐいと引き戻された。目の前が回転し、気づいた時には広々とした後部座席に彼に押し倒されていた。

浅井立夏は目を丸くして、必死にもがいた「宮原裕也、何するの!やめて、嫌よ!」

「俺がやると決めたことに、お前が嫌だと言う権利はない!」宮原裕也は彼女の手を捕まえて頭上に押...