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第42章

浅井立夏は彼を全く見ることができなかった。自分の頭の中が勝手に制御不能になり、奇妙でカラフルなイメージが浮かんでしまうのが怖かったからだ。

彼女が服を差し出すと、なかなか受け取ってもらえない気がした。顔を上げた瞬間、大きな手が彼女の頃を触れ、そして男性の軽いため息が聞こえた。

「本当に熱いな」

浅井立夏は驚きのあまり目を丸くした。その様子を見た宮原裕也の気分は大いに良くなり、口元を緩めながら彼女の横をすり抜けてベッドへと向かった。

「……」

この人、どうして急に手を出して痴漢みたいなことするの?

自分の頬に触れなくても、今どれだけ熱いか分かっていた。さっきは目玉焼きを焼く温度だっ...