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第37章

宮原裕也は酔いつぶれて、ほとんど彼女の身体に倒れかかっていた。鼻先に漂う淡い甘い香り、ほのかなミルクの匂い。彼の思考はふと遠くへと飛んでいった。

温かい水が彼の唇の端からこぼれ落ちる。浅井立夏はすぐに水を飲ませる動作を止め、指先を伸ばして彼の唇の端の水滴を拭い取った。

「お酒は体に悪いわ。これからはこんなに飲まないで」浅井立夏は彼の顎の水気を拭き取りながら、指先が不意に彼の喉仏に触れた。

熱い。

宮原裕也の喉仏がゆっくりと動き、また喉の渇きを覚えた。彼はソファから立ち上がると、全身がふらふらとしていた。

浅井立夏は急いで彼を支え、意識がはっきりしていないようだと見て、「トイレに行き...