第9章

生徒会長は即座に、厳粛な声で宣言した。

「事態の深刻さを鑑み、ただちに学園執行部へ報告する！」

その言葉を待っていたかのように、会議室の重厚な扉が音もなく開かれた。入ってきたのは、学園の教務主任であり、王国でも五指に入る大賢者、ギルバート・アシュフォード。その背後には、いずれも高名な教授たちが数名、厳しい表情で控えている。老魔法使いの圧倒的な魔力と威厳に、ホールは水を打ったように静まり返った。

「話は、扉の外で全て聞かせてもらった」

教務主任の低く、しかしよく通る声が響き渡る。

「これは単なる生徒間の諍いではない。学園の秩序、その根幹を揺るがす由々しき事態だ。徹底的に調査せね...