第6章
早朝六時。学園の東門に設けられた集合場所は、晴れゆく光の中に溶けていく朝霧に包まれていた。
私は支給された討伐隊用の装備に身を包み、指定された位置に立つ。心は驚くほど凪いでいた。この数日間の準備を経て、来るべき時が来た、ただそれだけだ。
視界の端では、システムインターフェースが静かにパーティーメンバーの情報を表示している。ダルジア、四人の上級生、一人の指導教員、そして私とフェリックス。すべては計画通り。
皆が装備を点検し、出発の準備を整えていた、その時。
静寂を破って、慌ただしい足音が響いた。
「待って!私も参加しますわ!」
声の主、リリアンが息を切らしながら走ってく...

Chapters
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章 

6. 第6章 

7. 第7章 

8. 第8章 

9. 第9章 

10. 第10章 


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