23: ごめんなさい。

ザイオン視点

何かが起こるのを待つ間、俺は身じろぎしようと試みた。かろうじて片手を持ち上げただけで、肩から肘にかけて炎が走るような激痛が突き抜けた。指先が震え、その時になってようやく、この身を苛む苦痛の混乱の中で、どういうわけか人間の姿に戻っていることに気づいた。

頭の奥で、内なる狼がくぅ、と呻くのが聞こえた。「努力はしている」弱々しくも荒々しい声で狼が囁いた。「もう長くはもたない。毒に窒息させられる」

俺は歯を食いしばり、肺を焼くような息を吸い込んだ。体内に毒があるなんてまったく知らなかったので、狼の苦しげな告白はかなりきつい一撃だった。

これが単なる怪我どころではない、もっ...