第924話昼夜問わずカーティスを悩ませる

アレクサンダーは自暴自棄になっているようだった。

ヴィクトリアに感情がないわけではなかった。ただ、彼らの感情の渦に再び巻き込まれたくなかっただけだ。

「外で食事しない？」

「アレクサンダーはどうするの？」

ヴィクトリアが途方に暮れていると、ダイアナが彼女のそばにやってきた。

「どうせあなたは出ていくんでしょ？彼も早く慣れた方がいいわ」ダイアナはそっと諭した。

「わかったわ」

ヴィクトリアもその通りだと思った。家にはアレクサンダーの世話をする使用人が大勢いるのだから。

アレクサンダーがダイニングルームへ行くと、ほどなくしてメイソンが報告に来た。「ハリントン様、皆様お出かけになりま...