偽物令嬢のはずが、実家はまさかの兆円財閥!

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第138章 山口夏美の発熱

翌日、一行は出発した。道中は冷え込みを増し、路面は荒れ、燃料の消費は予想を遥かに超えていた。午後になり、運転手が口を開く。

「次の町まで燃料がもたねぇ。近くのキャンプ場に一泊して、ガソリンと食料を補給するぞ」

皆、それに同意した。

キャンプ場は、氷の家やテントが点在する小さな集落のようだった。到着した時にはすでに数台の車が停まり、先客もいる。互いに見知らぬ者同士だが、この極寒の荒野では誰もが温かく、集まって焚き火を囲み、暖を取り合っていた。日はすでに落ち、気温はマイナス四十度まで下がっている。山口夏美は車を降りた瞬間、身震いした。厳重に防寒対策をしていても、吹き付ける寒風はあまり...