偽物令嬢のはずが、実家はまさかの兆円財閥!

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第135章 生命の危険

山口拓海は、豪さんがなぜあのようなチンピラ相手に下手に出ているのか、全く理解できなかった。腹の虫が治まらず、怒鳴りつけようと飛び出しそうになったところを、山田祥生にぐいと腕を掴まれる。

「邪魔するな。今は山口夏美の安全が最優先だ。豪さんには必ず考えがある」

山田祥生は山口豪ほどの古狸ではないが、同年代の中では最も機微に聡い男だ。豪の意図をなんとなく察していた。

岩井蒼は口の端を吊り上げた。

「へえ、あの喧嘩っ早い女の兄貴か。なかなか口が上手いじゃねえか」

おだてられると弱いタイプだ。もし山口夏美が最初から下手に出ていれば、美女相手にここまで執拗に絡むこともなかっただろう。だが...