第35話

リタは狼の集まりについて様々な奇妙なことを予想していたが、ホテルのペントハウススイートは、彼女がこれまで見てきた他のバー＆クラブと何ら変わりなかった。ホテルの一階全体が改装され、広々とした空間になっていた。ダンスフロア、部屋の両翼に設置された2つの大きなバー、いくつかのギャンブル台とビリヤード台、そして街を見下ろす壁一面の窓の眺めを最大限に活かしたラウンジエリアが設けられていた。

「うわぁ、ここ本当に素敵」リタは感嘆して見とれた。

「君だけじゃないよ」エースは遊び心たっぷりに眉を動かし、彼女を引っ張って群衆の中を進み、バーにたどり着いた。

「おーい！ヴィニー！！ドニー！」エースはバーに陣...