第820章

夜になり、モリーが家で八時まで待っていると、ようやくセバスチャンが帰宅した。

玄関でエリーが待ち構えていた。「ねえ、ちょっとこっちへ。聞きたいことがあるの」

「母さん、先にモリーの様子を見てくるよ」

「その彼女のことよ。こっちに来なさい」

エリーはセバスチャンを脇に引っ張ると尋ねた。「最近、会社の女性と親しくしてるんじゃないでしょうね？　昨日の夜、モリーに変なことを聞かれたのよ。それに今日は一日休暇を取って、家に帰ってきて寝ていたし。言っておくけど、何かがおかしいわ」

セバスチャンは二階に目をやった。「わかった。上に行く」

エリーがまだ話し終えないうちに、セバスチャンはくるりと背を...