第1270章「感情を抑える」

翌日、エメリックは早めに着くと、ステラが授業を受けている校舎の外で彼女を待っていた。

本を抱え、心ここにあらずといった様子で出てくる彼女の姿を見つけると、彼はすぐに近づいた。いつもの超然とした態度は鳴りを潜め、わずかに期待の色が浮かんでいる。「おい、俺のために彼に話してくれたか？」

ステラは彼に気づきもせず、その声も耳に入らなかった。彼のすぐそばを、そのまま通り過ぎていく。

エメリックは呆気に取られた。

彼女の後ろを歩いていたルームメイトが、そっとステラをつついた。「ステラ、何ぼーっとしてるの？　話しかけられてるわよ！」

ステラはゆっくりと我に返って振り返り、ようやくエメリックの存在...