偽物令嬢のはずが、実家はまさかの兆円財閥!

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第148章 助けを求める

その時、山口豪のクルーズ船は、彼女たちのいる場所から岸よりもずっと近くに見えた。竹中萌香はそれを好機と捉え、思わず笑みを漏らした。いや、声を上げて笑い出したのだ。ボートを発進させようとしていた運転手は、電話もかけずに突然笑い出した彼女を見て、背筋が凍る思いをした。この女、気でも触れたのか?

竹中萌香は急に機嫌を良くし、笑いながら彼に言い放つ。

「馬鹿ね。どうして岸に戻る必要があるの? 今すぐ舵を切りなさい。あの大きなクルーズ船に向かって。彼らに助けを求めればいいだけの話でしょ」

運転手は振り返り、距離を目算した。残りの燃料でクルーズ船の近くまで行くことは可能だろう。だが、向こうは赤の他...