第147章 嵐が来る

しかし、竹中萌香の関心はただ一点、あの船に乗っているのが山口夏美なのかどうか、そして彼女と山口豪がどのような関係にあるのかを突き止めることだけに注がれていた。そのため、彼女は運転手の忠告など右から左で、ただひたすらに「急いで」と彼を急き立てるばかりだった。その間に中島結子へ電話をかけると、すでに帰国していた中島結子はすぐに電話に出た。

「結子、山口夏美が冬休みにどこ行ってるか知ってる？」

中島結子は不思議そうに答えた。

「知らないわよ。でもあの子にお金なんてないんだから、どうせあのスイーツショップで残業でもしてるんじゃない？」

「それがね、絶対信じないだろうけど、私フィジーで彼女を...